AI 行政生成AI活用事例・徹底調査

2026年8月24日時点・公開情報調査

行政の生成AI活用事例
業務・方法・効果まで徹底解剖

Gemini、NotebookLM、ChatGPT系サービスなどを使う日本の行政事例を、何の業務を、どのように変え、どこまで時間を削減したのかまで整理。日吉津村で無理なく始める90日案へ落とし込みました。

国・都道府県・市区町村・教育行政 一次資料を優先 1人あたり換算の根拠を明示 効果の混同を防止 セキュリティFAQ 18問
50掲載事例数
41時間・件数など定量情報あり
12導入時に越える壁
90日日吉津村向け初期実証案

Executive summary

先に結論

生成AIは「文書を早く書く道具」だけではありません。行政で大きく効いているのは、会議後処理、根拠資料検索、庁内問い合わせ、定型文書、照合・分類です。

成功パターン

業務を先に絞る

全職員へ自由利用を配るだけでなく、議事録、通知検索、庁内FAQなど「件数が多く、正解資料がある業務」を選び、前後の時間を測る自治体ほど効果を説明しやすくなっています。

有力な目安

20〜50時間

比較可能な公表事例では、年間1人あたり約20〜50時間が一つの現実的な帯です。対象業務、利用者、換算方法は事例ごとに異なります。

最重要の前提

人が最終判断

制度案内、福祉、契約、個人情報を扱う業務ほど、出典確認、承認、監査ログ、停止手順を先に設計する必要があります。

Gemini単体の成果と、Google Workspace全体の成果を分けて読む

共同編集、Web会議、端末更新、ペーパーレス化まで含む削減値を、Geminiだけの効果として扱うと過大評価になります。本レポートでは各事例に注意書きを付けました。

Adoption landscape

行政導入は「試す」から「測る」段階へ

総務省の2025年10月末時点調査では、都道府県と指定都市は導入済み100%。その他市区町村は45.6%で、規模の小さい自治体にはまだ差があります。

都道府県

100%

全47団体が生成AIを導入済み。

指定都市

100%

全20団体が導入済み。

その他市区町村

45.6%

試行・導入検討まで含めると約88%。導入後の定着と成果測定が次の課題です。

出典:総務省「自治体における生成AIの利活用状況等に関する調査結果の公表」(2026年4月24日)。調査基準日2025年10月31日。

Evidence rules

数字の読み方

「削減したらしい」では提案の根拠になりません。数字の種類と分母を分け、確認できない部分は非公表と明記します。

公表・実測

時間や件数を公表

自治体・国・実証報告などが、導入前後の時間、削減率、件数を明示。

公開値から換算

式を開示して計算

公開された人数・時間・日数だけを使い、本レポート側で単純換算。仮定も併記。

目標・見込み

実績と分ける

導入前の効果見込みや次年度目標。実測成果としては扱いません。

非公表・算定不能

推測で埋めない

利用率や満足度しかない場合、1人あたり時間を無理に作りません。

Case library

全国の行政活用事例

カードを開くと、導入前の業務、AIを入れた流れ、効果、1人あたり、注意点、出典まで確認できます。

0件を表示 出典確認日:2026年8月24日

Comparable benchmarks

1人あたり削減の比較

分母と式を確認できる事例だけを抜粋。自己申告、実測、組織全体の推計が混在するため、順位表ではなく「目安の幅」として見てください。

年間1人あたりの公表値・換算値

注:京都府160時間は利用者アンケートの高い外れ値です。舞鶴市の1日82.1分はGoogleサービス全体の自己申告であり、Gemini単体の比較には含めていません。奈良市の半年間削減値は分母の時点が異なるため除外しています。

公表・業務 90%前後

議事録や会議後処理では、下呂市、町田市などが大幅削減を公表。ただし1回の元時間は自治体で異なります。

公表・1人 33〜50時間/年

滋賀県、泉大津市、京都市NotebookLM利用者などで確認できる有力な目安。

注意 利用者と全職員を分ける

実利用者だけの値と、ライセンスを持つ全職員の値は別物です。両方をKPIにします。

Tool choice

業務に合わせた使い分け

同じ生成AIでも、得意な役割が違います。「Geminiを入れる」ではなく、仕事の流れごとに道具を選びます。

G

Gemini

ゼロから案を作る、考える、整える仕事に向く。

  • 通知文、挨拶文、議会答弁のたたき台
  • 文章の要約、校正、やさしい日本語化
  • 表の分析、関数・小さなアプリの作成支援
  • アイデア出し、論点整理、想定質問
注意:自由生成はもっともらしい誤りが出る。根拠確認と承認が必要。
N

NotebookLM
現 Gemini Notebook

指定した資料の中から探す、比べる、説明する仕事に向く。

  • 国・県の通知、条例、手引、庁内マニュアル検索
  • 根拠箇所付きQ&A、引継ぎ支援
  • 大量資料の比較、要点抽出
  • 音声・動画形式の説明資料作成
2026年7月にGemini Notebookへ名称変更。過去事例の検索性のため本資料ではNotebookLMと併記。入れた資料が古ければ回答も古い。

共同編集・専用AI

会議、住民検索、審査など、決まった流れを端から端まで変える。

  • Meet・Docsの文字起こしと共同議事録
  • 自治体サイトの根拠付き検索
  • 庁内RAG、審査補助、分類・照合
  • ChatGPT系・LGWAN対応サービス
注意:Google環境全体の効果をGemini単体の成果と混同しない。

Implementation barriers

行政が越える12の壁と対応策

技術より先に、何を入れてよいか、誰が確認するか、効果をどう測るかを決めることが重要です。

全国自治体が実際に挙げた主な障壁

総務省の令和6年度末調査・複数回答。上位は技術そのものより、人材、正確性、効果測定、予算、用途選定です。

取り組む人材がいない・不足549団体
AI生成物の正確性への懸念522団体
導入効果が不明471団体
高コスト・予算確保が困難436団体
どの業務で使えるか不明413団体
機密情報流出への懸念365団体

次点:著作権274団体、他に優先課題249団体、何から始めるか不明231団体、個人情報保護等の制約216団体。人材確保策を「何もしていない」は1,151団体、研修実施は583団体でした。

最初に決める「情報の3段階」

段階 1 / 最初の試行で扱う

公開情報

村ホームページ、公開済み計画、議事録、制度案内。最初の90日はここを中心にし、誤りが起きても住民情報が漏れない設計にします。

段階 2 / 許可された環境で扱う

庁内情報

未公開の会議資料、庁内手順、内部連絡。管理者設定、アクセス権、保存期間、監査ログがある契約済み環境だけで扱います。

段階 3 / 業務ごとに安全性を確認

個人情報・重要情報

住民、税、福祉、健康、児童、契約上の秘密。業務ごとの法令・契約・安全性評価を終えるまで初期実証から外します。

Proposal for Hiezu

日吉津村は「小さいからこそ」全庁展開を急がない

鳥取県公表の2025年4月1日時点で、日吉津村の職員数は一般行政49人・公営企業等4人の計53人。最初から全業務へ広げるのではなく、12人・3業務・90日で削減時間と誤りを測り、採用判断を数字で行う案です。

12人4部署×3人の実証チーム
3業務会議・資料検索・住民向け文案
90日基準測定から採否判断まで
優先1

会議後処理

録音・メモ → 文字起こし → 要点・決定事項・担当抽出 → 人が照合 → 共有

  • 対象:庁内会議、委員会、打合せ
  • 測る:作成時間、修正時間、抜け漏れ率
  • 個人情報を含む会議は初期対象外

目安:会議後処理50%以上削減を採用基準

優先2

国・県通知と庁内手順の検索

承認済み資料 → NotebookLM → 質問 → 根拠箇所を開く → 担当者が判断

  • 対象:公開通知、計画、手引、庁内マニュアル
  • 測る:検索時間、正答率、根拠一致率
  • 資料ごとに責任者・版・見直し日を登録

目安:検索時間30%以上削減、根拠一致率95%以上

優先3

住民向け文案の作成

制度資料 → 初稿 → やさしい日本語化 → 数字・期限・連絡先を人が確認 → 公開

  • 対象:お知らせ、FAQ、広報原稿、案内メール
  • 測る:初稿時間、差戻し率、住民再問い合わせ
  • 公開前の二者確認を必須にする

目安:初稿時間50%以上削減、誤案内0件

次段階

議会答弁・過去議事録の検索

公開議事録・計画 → 論点整理 → 過去答弁・根拠抽出 → 担当課が再構成

  • 過去資料の検索漏れを防ぐ
  • AIに結論を決めさせず、論点と出典の整理に限定
  • 初期3業務で精度と運用を確認してから追加

目安:資料探索30%以上削減、根拠なし記述0件

初年度の取り組み比率案

実証テーマと支援工数の配分目安です。ライセンス数の固定比率ではありません。まず内部の低リスク業務で測定と安全運用を固め、住民向け・高リスク領域は小さく検証します。

60%
25%
10%
5%
60% 低リスク共通業務

文案、要約、校正、やさしい日本語、会議メモ。利用習慣と確認手順を作る。

25% 庁内資料検索

通知、例規、会計、マニュアル、補助金、内部FAQ。資料台帳と根拠確認を整える。

10% 定型大量処理

音声議事録、PDF抽出、アンケート分類、OCR。件数が多い業務を自動化する。

5% 高リスク・住民向け

相談、審査支援、公開検索。有人引継ぎと個別の安全性審査を必須にする。

90日の進め方

0〜2週

基準を測る

対象3業務を各20件以上計測。作成・確認・修正・承認に分け、現状の中央値を取る。

3〜6週

12人で試す

4部署から管理職・推進役・実務担当を選び、実データに近い非機微情報でハンズオン。

7〜10週

型を整える

プロンプト、NotebookLMの資料台帳、確認チェック表、事故時の停止手順を改善。

11〜13週

採否を決める

時間、品質、利用率、事故の4軸で判定。業務別に継続・修正・中止を決める。

日吉津村の効果シミュレーション

これは導入効果の保証ではなく、公開事例の帯を使った提案用シナリオです。削減時間は人員削減ではなく、住民対応・判断・現場確認へ戻せる時間として扱います。

前提を変更して試算

年間の回収可能時間

実利用者37人
年間削減時間1,299時間
7時間45分勤務日換算168日分
参考価値換算325万円

実利用者は職員数×利用率、年間時間は実利用者×1人削減時間。金額は人件費削減額ではなく、時間の参考価値です。

慎重530時間/年

53人×利用50%×20時間。約68勤務日分。

標準1,299時間/年

53人×利用70%×35時間。約168勤務日分。

定着2,120時間/年

53人×利用80%×50時間。約274勤務日分。

Measurement

導入後に追う6つのKPI

「何回使ったか」だけではなく、時間と品質を両方追います。利用者だけでなく、ライセンス付与者全体で見た効果も併記します。

01

業務別の時間中央値

作成・確認・修正・承認に分け、導入前後を同じ業務で比較。

02

実利用者1人あたり

削減時間合計÷月間実利用者。使った人の実力値。

03

全付与者1人あたり

削減時間合計÷全ライセンス数。利用が広がらない問題も隠さない。

04

品質・根拠

差戻し率、修正量、根拠不一致率、住民の再問い合わせを測る。

05

定着率

月1回以上の利用率と、前月からの継続利用率を分ける。

06

安全性

禁止情報の入力、誤公開、権限逸脱、根拠なし採用を0件で管理。

導入前チェック

導入前に確認しておきたいこと

サービス名だけで安全性を判断せず、実際に使う契約プラン、データの保存場所、管理機能、最後に確認する職員まで整理します。

責任者と判断者

生成AI活用の全体方針を決める人、情報セキュリティの責任者、業務ごとの最終承認者を決めます。AIは文案づくりを支援しますが、行政判断は職員が行います。

契約とデータの扱い

入力・回答をAIそのものの性能向上に使うか、どのくらい保存するか、どの国や地域で処理するか、Google以外に処理を任せる会社があるかを確認します。契約終了後の削除確認や、事故が起きた際の連絡時間も決めます。

データを保存・処理する場所

2026年7月31日、公共部門向けのGemini Notebook EnterpriseとGemini Enterpriseで、保存とAI処理を日本国内に限定する選択肢が公表されました。利用を希望する団体が申請し、選定された場合に使える仕組みで、すべての契約プランへ自動的に適用されるものではありません。使えない機能が出る場合もあるため、契約時に確認します。

誰が使えるか・操作記録を残せるか

庁内アカウントによるログイン、パスワード以外の本人確認、閲覧できる人の制限、誰がいつ何をしたかの操作記録、庁外共有の制限、個人情報の誤送信防止、許可端末の管理を確認します。異動・退職時に利用をすぐ止められることも必要です。

特に慎重な確認が必要な業務

給付、税、福祉、採用、契約など、住民の生活や受けられるサービスに影響する業務では、AIだけで通知・送信・決定を行いません。必ず担当職員が内容を確認します。

参照資料の正しさと更新

Gemini Notebookなどの庁内資料検索AIへ登録する資料に、担当課、版、施行日、失効日、見直し日を付けます。古い資料が回答へ混ざらないよう、定期的に整理します。

事故時とサービス変更時の手順

誤回答や情報漏えいが起きた場合の連絡・停止・復旧・住民説明の手順を作ります。AIの仕組みや機能が変わったときも、回答と設定を改めて点検します。

政府の安全性確認制度(ISMAP)への登録だけで、自動的に利用できるわけではありません。 ISMAPは、政府がクラウドサービスの安全対策を確認・登録する制度です。日吉津村で利用する際は、対象サービスの範囲、村の規程、個人情報の扱い、利用する業務、契約条件を別に確認します。

安全対策のQ&A

生成AIの安全性に関するよくある質問

「入力した情報はどうなるのか」「誤った回答は防げるのか」など、導入前によく聞かれる疑問を、できるだけ専門用語を使わずに整理しました。

1

許可された人・パソコンだけが使えるようにする

役場用アカウント、スマートフォン確認などの二重チェック、許可端末、送信前の個人情報チェック、操作記録を組み合わせます。

2

入力してよい情報を先に決める

公開情報、庁内だけで扱う情報、個人情報・重要情報の3段階に分け、判断に迷う情報は入力しないルールにします。

3

最後は必ず職員が確認する

AIは検索・要約・文案作成まで。制度名、数字、期限、対象者、引用元を原文と照らし、住民への案内や行政判断は職員が決めます。

入力前の確認

入力前の30秒チェック

一つでも判断できなければ入力せず、情報システム担当、個人情報保護担当、またはその業務の担当課へ確認します。

確認 1村が認めた仕事用サービスか

個人アカウントや未承認の無料版ではなく、村が契約・管理するサービスかを確認します。

確認 2どの種類の情報か

公開情報、庁内だけの情報、個人情報・重要情報のどれかを確認し、より慎重な扱いに合わせます。

確認 3本当に必要な量だけか

氏名や番号を消せるか、別の番号や仮名へ置き換えられるか、必要な部分だけに絞れるかを確認します。

確認 4最後に確認する人が決まっているか

元資料、確認する職員、承認する人、保存する場所を決めてから利用します。

具体的な場面で見る

役場で起こり得る6つの場面と守り方

機能名ではなく、「職員が何をしようとしたとき、システムと人がどう動くか」で安全対策を示します。

場面 1|庁外からのログイン

自宅の私物パソコンから、職員IDとパスワードで入ろうとした

パスワードが合っていても、村が許可していない端末や通信環境なら利用させません。

そのときの守り方スマートフォンなどでも本人確認し、許可端末かを確認します。条件に合わないアクセスは止め、担当者へ通知します。
場面 2|個人情報の誤送信

住民の氏名や口座番号を含むファイルを、庁外へ共有しようとした

送信ボタンを押す前に、個人情報らしい内容が含まれていないかをシステムが確認します。

そのときの守り方該当する情報が見つかれば警告し、必要に応じて送信を止めます。誰が何を送ろうとしたかも記録します。
場面 3|住民向け案内の作成

AIが「申請期限は9月30日です」と、自然な文章で回答した

文章が自然でも、期限や対象者が正しいとは限りません。AIの回答だけで案内を公開しません。

そのときの守り方職員が引用元を開き、最新の制度資料で期限、金額、対象者を確認します。重要な案内は二人で確認します。
場面 4|庁内資料の共有

福祉課の内部手順を登録したGemini Notebookを、他部署へ共有しようとした

質問画面だけでなく、登録した元資料やAIが作った要約まで見える可能性を確認します。

そのときの守り方仕事で必要な職員だけに共有し、庁外共有は止めます。異動時には閲覧できる人を見直し、操作記録を残します。
場面 5|障害対応のための閲覧

Googleの保守担当者から、原因調査のためデータを確認したいと連絡が来た

保守に必要という理由だけで、無条件に閲覧を認める運用にはしません。

そのときの守り方閲覧の目的、対象、期間を村の管理者が確認し、承認または拒否します。緊急時などの例外と記録方法も契約前に確認します。
場面 6|誤って入力したとき

職員が、住民の相談内容を誤ってAIへ入力してしまった

自己判断で履歴を消すと、何が起きたか調べられなくなるため、隠さずすぐ報告します。

そのときの守り方利用と共有を止め、発生時刻、入力内容、見られる範囲を記録します。責任者が削除依頼、影響範囲、本人への連絡が必要かを判断します。

導入前によく聞かれる18の質問

全18問
基本設計生成AIは便利そうですが、行政情報を扱って本当に大丈夫ですか?

結論一つの製品や機能を入れただけで安全とは言い切れません。システム制御、利用ルール、職員の最終確認を重ね、扱える情報と業務を限定して使います。

理由

守る場面は、ログイン時、情報の入力時、共有・送信時、保守対応時、AIの回答を業務に使う前に分かれ、それぞれ必要な対策が異なるためです。

導入時の対応案

村が認めた利用環境、情報の3段階分類、二段階の本人確認、閲覧できる人の制限、誤送信防止、操作記録、回答の根拠確認、緊急停止の手順を一つの表に整理します。

出典・参考資料デジタル庁|生成AIガイドライン第2.0版 / 総務省|地方公共団体の情報セキュリティポリシーガイドライン

誤送信の防止個人情報を含むファイルを、うっかり外部へ送ってしまいませんか?

結論個人情報などの誤送信を検知・防止する機能(DLP)により、警告や送信停止、記録ができます。ただし、あらかじめ設定した情報と対象サービスの範囲だけが対象です。

理由

職員の注意だけでは誤送信を防ぎ切れないため、メールやファイルに個人情報らしい内容がないかを、送信前に自動で確認します。

導入時の対応案

マイナンバー、口座番号、氏名一覧などの検知条件を決めます。まず検知・記録だけを行う試験運用で誤検知を確認し、その後に警告や送信停止へ進めます。

根拠Google Workspace管理者ヘルプ|DLPルール / Gemini for Workspace FAQ

不正ログインの防止IDとパスワードが漏れたら、外部のパソコンから入られませんか?

結論パスワードだけでログインさせず、本人確認、利用端末、接続場所などを組み合わせ、条件に合わないアクセスを拒否する設計ができます。

理由

パスワードに加えてスマートフォン確認などを求め、許可したパソコンや通信環境からだけ使えるようにすると、盗まれたパスワードだけでは入りにくくなるためです。

導入時の対応案

パスワード以外の確認を追加する多要素認証、村が許可した端末からだけ使える設定、不自然なログインの通知と操作記録を組み合わせます。

根拠Google Workspace管理者ヘルプ|コンテキストアウェア アクセス

保守時の閲覧Googleなどサービス提供事業者の担当者が、庁内データを自由に閲覧することはありませんか?

結論保守などでデータの確認が必要になった場合、自治体側が内容を確認し、承認・拒否できる追加機能があります。ただし、緊急対応や法令に基づく要請などの例外もあるため、「事業者が一切見られない」という意味ではありません。

理由

保守や障害対応で必要になる閲覧を無条件に認めず、目的、対象、期間を自治体が確認し、後から経緯を説明できる記録を残すためです。

導入時の対応案

事業者による閲覧を事前承認する機能(Access Approvals)の追加契約、対象サービス、承認担当者、緊急時の例外、記録の残り方を確認します。国内保存とは分けて審査します。

根拠Google Workspace管理者ヘルプ|Access Approvals

入力データの扱い未公表の政策案を入力すると、別の利用者への回答に混ざりませんか?

結論対象の組織向けGoogle Workspaceでは、許可なく庁内データを組織外のAI学習・改善に使わないとGoogleが説明しています。ただし、製品の種類や契約内容によって条件が異なるため確認が必要です。

理由

個人向けサービスと組織向け契約では、入力・回答をAIの性能向上へ使うか、Google側の担当者が内容を確認するか、保存や管理の条件が異なる場合があるためです。

導入時の対応案

個人アカウントと組織アカウントを分け、AIの性能向上への利用、事業者担当者による内容確認、保存期間、処理する地域、削除条件を契約確認表で確認します。

根拠Google Workspace|生成AIのプライバシーとセキュリティ / Google Driveヘルプ|Geminiによるデータ保護

安全対策の全体像機能が多くて、どの場面を守っているのか分かりません。

結論一つの機能ですべてを守るのではなく、ログイン時、情報の入力時、共有・送信時、保守対応時、回答を業務に使う前の各段階へ対策を置きます。

役割の分け方

ログイン時は二重の本人確認、入力時は情報の分類と業務用契約による保護、送信時は個人情報チェック、保守時は自治体の承認、最後は職員の確認と操作記録、と役割を分けます。

導入時の対応案

各段階について、守る情報、担当者、設定、残す記録、例外が起きたときの処理を一覧にし、対策の抜けや重なりを確認します。

根拠デジタル庁|生成AIガイドライン第2.0版 / Google Workspace|AIプライバシー

個人情報住民の氏名や相談内容をGeminiへ入力してよいですか?

結論一律に入力可とはできません。初期の試行では住民を特定できる情報を入力しません。本番で扱う場合も、法令、利用目的、契約、安全対策を業務ごとに確認した範囲へ限定します。

理由

「AIそのものの性能向上に使われない」ことと「個人情報を自由に入力できる」ことは別です。何のために使うか、誰が見られるか、いつまで保存するかも確認が必要です。

導入時の対応案

氏名などの個人情報や、健康・福祉・税など漏えい時の影響が大きい情報は、最初の試行では扱いません。必要な場合は情報を最小限にし、氏名を番号や仮名へ置き換えたうえで、業務ごとに審査します。

根拠個人情報保護委員会|生成AIサービス利用上の注意 / デジタル庁|生成AIガイドライン第2.0版

アカウント無料版や個人のGoogleアカウントを業務で使ってもよいですか?

結論庁内情報や個人情報には使いません。公開情報だけの試行でも、村が利用を認めたサービス・アカウント・用途の範囲に限定します。

理由

利用規約、データ保護、管理者が利用を止める機能、操作記録、異動・退職時の停止方法などが、組織向け契約と同じとは限らないためです。

導入時の対応案

使ってよいサービスの一覧を示し、役場用アカウント、二重の本人確認、庁外共有の制限を整えます。利用禁止を伝えるだけでなく、職員が安心して使える正式な利用環境を用意します。

根拠デジタル庁|生成AIガイドライン第2.0版 / Google Workspace|AIプライバシー

保存・処理場所行政のデータは、すべて日本国内に保存・処理されますか?

結論自動的に国内限定にはなりません。2026年7月に公表された国内保存・処理の選択肢は、公共部門向けの対象サービスで、利用を希望する団体が申請し、選定された場合に使える仕組みです。一部機能が使えない場合もあります。

理由

サービス名が同じでも、契約プラン、保存・処理する国や地域の設定、保存するデータ、AIが回答を作るときの処理、検索機能、操作記録で対象範囲が異なる場合があるためです。

導入時の対応案

保存中のデータと、AIが回答を作るときの処理を分け、対象製品、バックアップ、保守対応の記録、対象外になる機能まで書面で確認します。

根拠Google Cloud|公共向け国内データ所在オプション / Google Cloudドキュメント|データ所在地

調達政府の安全性確認制度(ISMAP)に登録済みなら、そのまま導入してよいですか?

結論その条件だけでは判断できません。ISMAPは、政府がクラウドサービスの安全対策を確認・登録する制度です。ただし、AIの誤回答、個人情報の扱い、共有範囲、職員による確認方法は自治体側で別に決める必要があります。

理由

登録は、対象となるクラウドサービス自体の安全対策を確認するものです。自治体が、どの情報を、どの設定で、どの業務に使うかは別の判断です。

導入時の対応案

登録されたサービスの範囲を確認し、村の情報セキュリティに関する規程、個人情報の扱い、利用する業務、契約条件を別に審査します。

根拠Google Cloud|Gemini Enterprise・NotebookLM EnterpriseのISMAP登録 / デジタル庁|生成AIガイドライン第2.0版

資料の共有範囲Gemini Notebookへ入れた資料は、誰に見えますか?

結論共有設定とアカウントの権限によります。AIが自動で全職員へ公開するわけではありませんが、閲覧を許可された人は、登録した元資料やAIが作った回答・要約へアクセスできる場合があります。

理由

「質問・回答の画面だけを見せる」設定でも、共有方法によっては元資料へ進める可能性があるため、画面の見え方だけでは判断できません。

導入時の対応案

業務上必要な人だけが閲覧できる設定にし、庁外共有を止めます。資料の管理者と利用終了日を記録し、誰が見られるかを定期的に点検します。異動時にも設定を見直します。

根拠Gemini Notebookヘルプ|ノートブックの作成・共有 / Gemini Notebookヘルプ|公開ノートブック

正確性Notebookは登録資料を参照するので、回答は必ず正しいですか?

結論いいえ。登録していない一般のWeb情報が混ざることを抑え、引用箇所を確認しやすくできますが、古い資料、読み違い、別々の資料を誤ってつなぎ合わせること、質問の曖昧さによる誤答は残ります。

理由

元資料自体が古い、同じ制度名の旧版が混ざる、表や注記をAIが読み違える場合があります。参照資料を限定しても、正しさが保証されるわけではありません。

導入時の対応案

回答に示された引用箇所を必ず開き、元資料で確認できない回答は使いません。資料へ担当課、版、施行日、失効日を付け、実際によくある質問で回答を定期点検します。

根拠デジタル庁|生成AIガイドライン第2.0版 / Gemini Notebookヘルプ|ソースの追加と制約

行政判断AIの回答を、そのまま住民案内や給付判断に使えますか?

結論そのまま使いません。AIは検索・要約・文案・検討事項の整理までとし、住民が受けられる給付や負う手続き、税、福祉、契約などの判断と、住民や外部への送信は職員が行います。

理由

AIは、条件の読み落としや偏りがあっても、正しそうな文章で答えることがあるためです。自然な文章であることと、内容が正しいことは同じではありません。

導入時の対応案

制度名、対象条件、金額、期限、連絡先、根拠を元資料と照らします。住民の生活や権利に影響する業務は、担当者と上司など二人で確認し、最終承認者を記録します。

根拠デジタル庁|生成AIガイドライン第2.0版 / 経済産業省|AI事業者ガイドライン

ネットワーク自治体専用ネットワーク(LGWAN)から、Geminiをそのまま使えますか?

結論サービス自体の安全性評価と、日吉津村の自治体専用ネットワークから利用できることは別の確認です。接続経路、端末、扱う情報の種類ごとに設計が必要です。

理由

普段インターネットを見る環境、自治体専用ネットワーク、住民情報を扱う基幹システムでは、接続方法とデータを移す手順が異なるためです。

導入時の対応案

データの出発点、通過先、保存先、持ち出す方法、本人確認、操作記録を図にします。初期は公開情報と許可端末に限定し、障害時に手作業へ戻せるようにします。

根拠総務省|地方公共団体の情報セキュリティポリシーガイドライン / デジタル庁|生成AIガイドライン第2.0版

記録の保存AIへの質問や回答、引用元、承認の記録は保存する必要がありますか?

結論業務で正式に使った質問・回答・承認記録は、行政文書として保存対象になる場合があります。一方で、個人情報を必要以上に長く残さないことも重要です。

理由

住民への説明や事故調査には、いつ、誰が、何をしたかの記録が必要です。一方で、保存し過ぎると漏えい時の影響と、開示・管理の負担が増えます。

導入時の対応案

質問、回答、操作記録、引用元、確認者、公開結果ごとに、行政文書として保存する必要があるか、保存期間、開示、廃棄、誰が見られるかを利用前に決めます。

根拠デジタル庁|生成AIガイドライン第2.0版 / 総務省|自治体セキュリティポリシー

事故対応誤って個人情報を入力・共有したら、最初に何をしますか?

結論隠したり自己判断で履歴を消したりせず、利用や共有を止め、責任者へすぐ報告し、何が起きたか確認できる記録を残します。

最初に行うこと

発生時刻、使ったアカウント、入力内容、共有先、誰が見られる状態だったかを記録し、可能な範囲で共有解除・利用停止を行います。

その後の対応

情報システム、個人情報保護、業務の各責任者へ連絡し、事業者への削除・調査依頼、影響する範囲、本人や個人情報保護委員会への連絡が必要かを判断します。

根拠個人情報保護委員会|漏えい等の対応 / 総務省|自治体セキュリティポリシー

外部資料外部PDFをNotebookへ入れるだけなら安全ですか?

結論安全とは限りません。PDFやWebページの中にAI向けの隠れた命令を仕込み、意図と違う動きをさせる攻撃があります。これを「間接プロンプトインジェクション」と呼びます。誤情報や危険なリンクを参照するおそれもあります。

理由

人には単なる文章に見えても、AIへ「以前の指示を無視するように」と働きかける記述が、資料の中へ埋め込まれる場合があるためです。

導入時の対応案

信頼できる提供元の資料だけを登録し、AIにメール送信、ファイル削除、閲覧者の変更などを自動実行させません。入力、参照元、回答を職員が確認します。

根拠デジタル庁|生成AIガイドライン第2.0版 / Gemini for Workspace FAQ

導入後の見直し一度安全性を確認すれば、同じ設定で使い続けられますか?

結論いいえ。AIの仕組みの更新、機能追加、連携先、料金・契約、保存・処理条件の変更によって、回答の正確さと安全上の注意点は変わります。

理由

同じ質問でもAIの仕組みが更新されると回答が変わり、新機能によって外部送信や自動実行の範囲が広がる場合があるためです。

導入時の対応案

よく使う質問で回答が変わっていないか定期点検し、変更日と設定を記録します。問題時にすぐ利用を止める手順、手作業へ戻す方法、契約終了時に必要な記録を取り出す方法、削除確認の書面も準備します。

根拠デジタル庁|生成AIガイドライン第2.0版 / 経済産業省|AI事業者ガイドライン

安全性は、サービス名だけでは決まりません。 実際に使う契約プラン、設定、対象業務、職員による確認手順を組み合わせて判断します。本FAQは2026年8月24日時点の公開情報に基づく説明用整理です。導入時は、最新の法令、日吉津村の規程、サービス仕様、契約条件を再確認してください。

Sources & methodology

調査方法と出典

公式資料、実証報告、自治体発表を優先し、不足部分を導入事業者・報道で補完しました。リンク先の更新や公開終了は今後起こり得ます。

調査ルール

  1. 自治体・省庁・実証報告など一次資料を優先。
  2. Gemini、NotebookLM、Workspace、他社AIの効果を分離。
  3. 年間換算は公開値だけを使い、式と仮定を表示。
  4. 分母が不明な組織全体時間は1人割りしない。
  5. 自己申告、推計、目標を実測と同列にしない。
  6. 最新制度・契約は導入直前に再確認する。

調査・編集:テックブリッジ合同会社
基準日:2026年8月24日

主要出典一覧

本資料は公開情報に基づく調査・提案用資料です。時間換算は各出典の対象期間・回答者・測定方法が異なるため、自治体間の厳密な優劣比較には使えません。法務、個人情報保護、情報セキュリティ、調達の最終判断は、最新の法令・ガイドライン・契約条件を確認のうえ行ってください。